ナノテクノロジー

ナノ粒子とは、100ナノメーター(nm)以下の粒子です。 100万 nmが1 mmになります。 この非常に小さな粒子は、多くの新しいエキサイティングな特性を持っています。ナノパーティクルを使用することで、「見えない」日焼け止めローション、傷の付かない自動車塗装、汚れの付かないガラス、強力で軽量な建築材、摩耗に強いタイヤなど、他にも多くの夢のような製品が誕生します。 ナノテクノロジーとは、ナノ粒子とナノマテリアルを応用した業界セクターです。 このようにナノマテリアルは新しいエキサイティングな特性を持っているため、ナノテクノロジーを用いた製品は、毎年次から次へと開発されています。

もちろん、ナノマテリアルとナノテクノロジーを用いた製品は、安全でなければなりません。 人間や環境に無害でなければならないのです。 従来、物質の有害性は動物実験によって検証されていました。 しかしながら、倫理的な理由から、動物実験は好ましくありません。 さらに、多くのナノマテリアルが存在し、応用も多種多様であるため、必要なテストも膨大になります。 そこで、ナノマテリアルのECETOCタスクフォース(ECETOC Nano TF)が組織され、安全なナノテクノロジー製品によって社会が恩恵を受けることができ、動物実験を最小限に制限するために活動を開始しました。

ECETOC Nano TFには、ECETOCの会員企業から専門家が参画し、この膨大なタスクを実現しました。 専門家達は、物質を所謂「グルーピング」する手法を見出し、これをツールとして用いナノマテリアルの安全性を保証し、効率的にテストを行い、動物実験を回避することを確かなものとしました。科学に基づいたグルーピングでは、物質の毒性を、同様の物質との比較によって予測します。 しかしながら、ナノマテリアルの特性と、それらの生物の仕組みとの相互作用は非常に複雑であるかもしれません。 したがって、ナノマテリアルの包括的なグルーピングコンセプトはまだ確立されていません。

有害性の評価においてこのギャップを埋めるため、ECETOC Nano TFは、それまでに行われたECETOCのワークショップと活動による成果も考慮したナノマテリアルのグルーピングとナノマテリアルのテストのための意思決定フレームワーク(DF4nanoGrouping を開発しました。 DF4nanoGroupingは3つの階層から成り、ナノマテリアルのすべての関連特性を考慮します。 ステップバイステップ方式で、潜在的な有害性は排除されます。 有害なナノマテリアルは、培養細胞を用いた手法など、動物実験以外で特定されます。 動物実験の実施は、他の手法では危険性が除外できない場合に限定されます。 その場合でも、特別な動物実験が選択され、より少ない動物で、従来よりも動物にストレスの少ない方法が使用されます。

DF4nanoGroupingの有用性はケーススタディを通じて確認されました。 動物や人間にとって有害である可能性のあるすべての物質は、DF4nanoGroupingの非動物階層で認識されました。 その結果、DF4nanoGroupingにより真に理にかなった科学に基づく有害性評価を行うことができます。

ECETOC Nano TFは、著名な国際誌に掲載され、広く世界中で読まれている3つの論文の中にこの成果を発表しました(下記の「関連出版物」参照)。 さらに、タスクフォースのメンバーは、多くの科学会議やワークショップで発表するなどして、科学コミュニティにおけるDF4nanoGroupingの普及に貢献しています。